2009年11月6日金曜日

恋人同士の喧嘩の経緯を聞くと、何かを呪いたくなる。

「仕方ないな。俺がなぜここまで世界に絶望しているのかを教えてやる」
「いえ……ぼく何も言ってないです」
「アイツの機嫌を損ねてしまってな」
「あのー、ジョジョの新刊読むから出ていってくれませんか?」
「これ程までに無味乾燥な日々があるだろうか」
「兄上って、ほんと人の話を聞きませんねぇ」


とりあえず、兄上にぶぶ漬けを出しました。
兄上はお代りを要求してきました。


「……で、喧嘩の原因は何ですか?」
「俺がリビングデッドを退治したのは知ってるな」
「はい」
「勝手に片を付けたのが不満だそうだ。危ない事を一人でするな、と」
(どんなラブラブ会話?)
「一人で背負い込むな、とか。連れて行け、とか」
「はぁ。義姉上も心配されたんですねぇ」
「それで、最後に……お前とは一週間口をきかん、だそうだ」
「可愛い拗ね方じゃないですか。律義に期限まで切って」
「道鉦、もう少し物事を深く見ろ」
「はぁ」
「一週間! 一週間もこの状態が続くんだぞ。これは精神に異常をきたしても仕方のない状況だ」
「は?」
「ゴーストタウンでどれだけの化物を排除しても気が晴れない。教えてくれ、道鉦。俺はあと何体のゴーストを排除すれば良い?」
「知るかよ」
「人生は不毛だ。枯れ果ててしまった。多くの事を知りこそしたが、結局すべては遅かった」
「あにうえ〜。ぼくからもお話があります」
「……なんだ?」
「お帰り下さい」
「しかしなぁ……」
「帰れ」