2009年10月31日土曜日

お菓子を奪っていく盗賊



「トリックオアトリート!!」
「うん。今日はハロウィンだな、分かるぞ。だが人様の家へ勝手に入るのは良くない」
「なるほど。不純な行為の真っ最中かもしれないから、ですね!」
「常識の話だ、常識の」
「詰まらない話は良いんです。お菓子をさっさと出して下さい」
「ほら、アイツからだ」
「義姉上の手作りですか!? これはテンション上がります! で、テーブルの上にあるのは?」
「俺の食べる分だが」
「貰っておきますねー」
「おい!」
「細けぇことは良いんですよ!!」
「良くねぇよ」
「ぼくは他人のお菓子でもホイホイ食っちまう青少年なんですよ?」
「お前なぁ……好きにしろ」
「有り難うございます!」
「礼はいらん。ただ、大事に食べろ」
「分かってますよー!!」


「元気が良いな。……ん? あのバカ、本当に家中の菓子持っていきやがった」



キイル絵師! 素敵なSD有り難うございましたッ!!

2009年10月30日金曜日

知らない事を覚えていないと詰られる理不尽(シルバーレイン)

「兄上、今日お忘れのことが無いですか?」
「ないぞ、別に」
「嘆かわしい。こうやって人は老いていくんですかねぇ」
「あぁ、そういえば」
「思い出していただけましたか!」
「先週貸した2000円はどうなった?」
「それは忘れて」
「別に急いで返さなくてもいいんだけどな」
「話を逸らさないでください。もっと別の、もっと大切な事ですよ!!」
「ん~、あぁ! お前が割った皿のことか!! 金で継ぐから、別に構わないそうだぞ」
「あ、良かった。高価な物ではなかったんですね」
「いや、結構良い物らしい」
「ち、ちなみにお幾らほどで」
「さんまん……」
「立派そうなお皿にしては、そこそこですね」
「3万ドル」
「……さささ、さっきから、何ですか!! お金の事ばっかり言って。恥を知ってください、恥を」
「お前に言われたくない。意図が読めん。さっさと用件を言え」
「実はですね、ぼくが兄上と再会してから今日でちょうど2年になるんですよ!!」
「あー、そうなのか? 何だ、ほら。めでたいな」
「ですよねー! ほら、可愛い弟に何か言うべき事とか渡すべきものとかあるんじゃないですか? 具体的に言うと現金や権利書。有価証券の類いとか。贈与税が掛からない様に110万円以内で」
「ないぞ、そんなの」
「本当に?」
「本当に」
「ほんとのほんと〜〜に?」
「本当に」
「実はあったりして?」
「ない」
「………………バカ」
「ん、何か言ったか?」
「別に、何も、全く、さっぱり、言って、まーせーんーよっ!」

2009年10月13日火曜日

現実逃避の為に出来ること(シルバーレイン)

1.趣味に逃げる
 あ〜、アクマに癒される。
 
 何となく効果音やUI、画面が昔のメガテンっぽくてぼくは好きですね。
 悪魔の召喚をプログラムに置き換える。この設定を思いついた人はすごい。
 SFっぽさも、どこか後ろ暗いホラーな雰囲気もどんと来いって感じ!
 主人公の仲間は本当にフラグを立てるのがお上手!
「分かって言ってるだろ!」って突っ込みたくなります。
 
 アクマってか、モーショボーに癒されますね。


2.自然に触れてみる
 と言うわけでやって来ました、近くの公園!
 ここは近道として通学中に使ってます。
 お、ブランコを見つけましたよ。不覚にも懐かしさを禁じ得ません。
 小学三年生の時の同級生なんか、勢いをつけすぎて頭から・・・あれ、これは思い出したら駄目っぽいですね。
 次行きましょ、次!

3.妄想に耽ってみる
「良いかい、ナオエ。この台本通り演技をするんだよ?」
「・・・(コクコク)」

『あぁ、ナオエ。お前はどうしてナオエなの?』
『・・・(手を広げて、ドタドタと近寄る)』
『ラブプラスかドリクラか。それが問題なの!』
『・・・(短い腕を精一杯伸ばし、XB○Xを指さす)』
『それが貴方の選択なのね。良いわ、私は貴方の為ならPS3を我慢できる!』
『・・・(首を振る)』
『そうなのね。貴方は私と一緒に居たいだけなのね!!』

 ーー抱き合う二人(中学生と真・シャーマンズゴーストフレイム)。

『二人のこの手が真っ赤に・・・・・・』

 コンコン、ガチャ(部屋のドアが開く)
「道鉦、この間はわるかっ・・・・・・」
「・・・・・・」
「・・・・・・」


「「・・・・・・」」


「あー、なんだ。運動会の時は悪かったな。うん、用件はそれだけだ。元気そうで良かった」
「いえ違うんですよ、兄上。決して普段からこういう事をしている訳ではなくてですね・・・・・・」
「本当・・・・・・何か、ごめんな。あー、アレを忘れてた。うん、じゃあ帰るな」
「いやいやいやいや。ちょっと目を逸らさないで。てか、引かないでー!!」

2009年10月7日水曜日

運動会前の色々(シルバーレイン)

『弁当は何が良んだ?』
「あ、作ってくださるんですか!でしたら、バーベキューが良いかと」
『そうだな。運動するんだし、濃いめの味付けにしておくか』
「聞く気ないですよね」
『お前も真面目に答える気がないだろ。まぁ、過剰な期待はやめておけ』
「楽しみにしていますよ。ばっちり頑張りますから!」
『怪我はしないようにな』
「はーい」
『そうそう。最近夜更かしが酷いそうだな?明日も学校だし、早めに休めよ』
「分かってますよ。ロンパイアを拾ったら寝ます」
『うん、さっさと寝ろ』
「分かってますって!」
『返事だけは良いんだよなぁ』

特段の落ちもないまま、電話を切りました。
このまま何事もなければ、運動会を楽しみに出来ていたのでしょうが・・・。

(Prrrr・・・Prrrr・・・)

「はーい、もしもしですよ」

『本当にこの番号で良いのか?』
『ーーはい、閣下。肯定であります』
『おい、それを処理しておけ。任せたぞ』
『ーーはい、閣下。しかし、これは・・・』
『Non aprire la bocca!(訳:黙れ!) 私は任せた、と言ったぞ』
『Sissignora.(訳:かしこまりました)』

何やら電話の向こうは揉めている様子。でも、この声って・・・まさか!
『道鉦、聞こえている?』
「聞こえてますよ。母上からお電話なんて珍しいですね?」
『寂しい事を言うじゃない。私としても、可愛い息子と離れているのは嫌なんだけれど?』
「冗談ですよ。お元気そうで何よりです」
『私も貴方が元気そうで安心したわ。最近どう?』
「無問題ですよー。 学校も楽しいですし」
『まったく、勝手に転校しちゃうんだから。あの時は驚いたわ』
「それを言われると、辛いんですが」
『冗談。さっきのお返しよ。お父さんから聞いたのだけど、運動会があるそうね?』
「そうそう、練習が長くて大変ですよ!」
『シチリアの男が弱音を吐くんじゃないの。私もお父さんも応援に行くから、頑張りなさい』
「本当ですか!!三人揃うのも久しぶりじゃないですか」
『あら、皮肉かしら?』
「いえ、そんな積もりは」
『私もオベントーを持って行くから・・・・・・ごめんなさい、ちょっと待ってて』
「はい?」


『ーーはい、閣下。申し訳ございません』
『私の下した命令に変更はないぞ。可及的速やかに処理をしろ。手段は問わん。良いか、大尉。手段は問わない』
『ーーはっ』
『ヒューマンエラーがここまで重なるとは。由々しき事態だな』


「あのー、母上?」
『あぁ、ごめんなさい。ちょっと困った事になっちゃってね』
「大変そうですね。ぼくもお手伝い出来れば良いんですが・・・」
『手伝い?ふふっ、子供は遊んで勉強していれば良いのよ。あと、貴方は稽古もちゃんとね?』
「は、はーい」
『良い子。じゃあ、慌ただしくなっちゃったけど・・・またね』
「母上もお体にはお気をつけて」
『えぇ、貴方も』


「母上も大変そうですねぇ。でも、母上のお弁当たのし・・・・・・あああああああああっ!!」
まずい、まずい、まずい。母上が来るって事は父上も来るということ。
そして、兄上もわざわざぼくの為にお弁当を作ってきてくれる。
つまり、ぼくの目の前で(超絶的に仲の悪い)父上と兄上が顔を合わせるということで。
そんな二人を前にぼくが出来る事と言ったら・・・・・・。






「・・・・・・あー、お腹痛い。痛い痛い痛い、これは入院が必要な程の痛さですね。もしくは、全ての事態を兄上の同居人さんに押しつけざるを得ない痛さですね。うん、そうだ。そう決めた」

2009年10月2日金曜日

お出迎え

「兄上、お帰りなさい」

「なんだ来てたのか」

「今日もお疲れ様でした。アイマスにする? ドリームクラブにする? それとも、ラ・ブ・プ・ラ・ス??」

「道鉦」

「どれにする?」

「帰れ」