2009年11月25日水曜日

桜が見頃になると隠してしまうお寺があるそうな(シルバーレイン)

「とあるお寺では、大変綺麗な桜が咲くそうです」
「ふむ」
「でも季節になると仕切りで覆って、外から見えなくするんですよ」
「うん」
「拝見するには料金が必要らしくて。正直あきれてしまいました」
「それで?」
「最近はちょっと違った考えが浮かぶんですよ。むしろ覆ってしまった方が綺麗なんじゃないかなぁーって」
「・・・」
「覆いに使う仕切りも年月を経て風格が出て。更にいえば、わざと隠す事で市中の山居を思わせる設計なのかも」
「分かりにくいな」
「そうですか? 文字通り、秘するが花なのかもしれないって話です」
「いや、そこじゃなくてだな」



「わずか30分の間に、俺の部屋をここまで散らかした理由は結局なんだ?」



「はぁ。兄上ってほんっとーに無粋な方ですね」
「フローリングに正座させられてる奴が言うことか」
「くずして良いですか? 痺れた上に寒いんで足の感覚がないんですよ」
「駄目だ」
「では。秘めるが花と掛けまして、現状を起こした理由と説きます」
「その心は?」
「・・・」
「・・・」
「・・・」
「・・・おい」
「もう、良いですかね?」
「思い浮かばんのに、適当なことを言うな」
「だが、ぼくは謝りません」
「次はコンクリの上で正座させるぞ」
「すみませんでした。ナオエとゲームで盛り上がってました」
「折れるの早いな」

2009年11月6日金曜日

恋人同士の喧嘩の経緯を聞くと、何かを呪いたくなる。

「仕方ないな。俺がなぜここまで世界に絶望しているのかを教えてやる」
「いえ……ぼく何も言ってないです」
「アイツの機嫌を損ねてしまってな」
「あのー、ジョジョの新刊読むから出ていってくれませんか?」
「これ程までに無味乾燥な日々があるだろうか」
「兄上って、ほんと人の話を聞きませんねぇ」


とりあえず、兄上にぶぶ漬けを出しました。
兄上はお代りを要求してきました。


「……で、喧嘩の原因は何ですか?」
「俺がリビングデッドを退治したのは知ってるな」
「はい」
「勝手に片を付けたのが不満だそうだ。危ない事を一人でするな、と」
(どんなラブラブ会話?)
「一人で背負い込むな、とか。連れて行け、とか」
「はぁ。義姉上も心配されたんですねぇ」
「それで、最後に……お前とは一週間口をきかん、だそうだ」
「可愛い拗ね方じゃないですか。律義に期限まで切って」
「道鉦、もう少し物事を深く見ろ」
「はぁ」
「一週間! 一週間もこの状態が続くんだぞ。これは精神に異常をきたしても仕方のない状況だ」
「は?」
「ゴーストタウンでどれだけの化物を排除しても気が晴れない。教えてくれ、道鉦。俺はあと何体のゴーストを排除すれば良い?」
「知るかよ」
「人生は不毛だ。枯れ果ててしまった。多くの事を知りこそしたが、結局すべては遅かった」
「あにうえ〜。ぼくからもお話があります」
「……なんだ?」
「お帰り下さい」
「しかしなぁ……」
「帰れ」




2009年11月4日水曜日

ゲームでも転職時期の見極めは難しい

「やぁっとバストスが戦士からジョブチェンジ出来ますよ」
「それは誰だ?」
「個人的には戦士の大変高い攻撃力も魅力的だったんですが、やっぱり脳内主人公は君主ですよね」
「だから、誰?」
「やだなぁ。今やってるゲームの話に決まってるじゃないですか」
「知らん」
「またまた。さっきからチラチラぼくの方を見てるくせに。興味は隠せてませんよ」
「いや、お前が邪魔で本が片づけられないだけなんだが」
「はいはい、ツンデレツンデレ」
「まぁ、何でも良い……ゲームキャラの職を変えるんだな?」
「そのとーり!」
「ジョブチェンジじゃなくて、転職だろ」
「ジョブチェンジですよ」
「転職」
「ジョブチェンジ! ファイファイファイブ的に考えて」
「何だそれは」
「だーかーらー、ファイファイファイブですよ」
「知らんぞ、そんなタイトル」
「ほら、クリスタルがどーの。お頭好きだー、なゲーム」
「FFだろ。百歩譲ってもファイファン。分かりにくい呼び方をするな」
「ファイファイでしたよ。少なくともぼくの周囲では六作目が出るまでファイファイでした!」
「どこの田舎だ。と言うか、お前いくつだよ」
「兄上も同じとこ出身じゃないですか!!」



気軽に転職出来るシステムだと良いんですけどね。
でも、見極めが大切だとそれはそれで楽しい。

2009年11月3日火曜日

やってるゲームのキャラに知り合いの名前を使うのも、まぁ楽しい。



「ほらほら、見て下さいよ!!」
「何だ? 少し疲れてるんだが」
「体の頑健さと真面目な時の顔だけが取り柄の兄上が珍しいですね」
「仕事だ、仕事。久々に後味が悪かった」
「ふーん。で、このモンスターの説明を読み上げて下さい」
「お前、ほんと自由だな……何々」
「なんという蛮族!」
「何が面白いんだ?」
「はぁっ!? このモンスターは男だろうと浚うんですよ!!」
「雌がいるんだろ」
「いや、あの……もう良いです」
「変な奴」
(もともと、男しかいない種族とかファンタジーの説明をしても分かんないでしょうねぇ)

2009年11月2日月曜日

教授と青年のお話

「先生、いらっしゃいますか?」
慌てて老人は右手首の傷を隠した。
「どうぞ」
入ってきたのは学生だった。
「失礼します。お呼びとの事ですが」
「わざわざすまないね。あぁ、緊張しなくて良いよ。レポートの採点結果を伝えるだけだ」
老人は内心、苦笑してしまう。目の前にいる青年が緊張した姿など見た事がなかった。
「良い出来だよ。君の文章は実に読ませるねぇ」
「あー、その。えー、有り難うございます」
青年は頭をかく。照れているのだろうか。
「満足してもらっては困る。学生にしては良い、というだけの話だ」
「はい。精進します」
「宜しい。では、珈琲どうだね?」
「は? はぁ、戴きます」

しばらく雑談をした。
疲れた身には、愚痴る相手が必要だった。
「引き止めて済まなかったね」
「いえ。では、そろそろ……知り合いを待たせていますので」
「例の女性かな? 噂になっている様だよ。あの美人は誰なんだ、とね」
「……」
「君は時折、分かりやすい表情をするね」
初々しい反応。思わず笑い掛けた瞬間、目の前が真っ白になった。


「ーー先生を俺が支えています。大丈夫です、ソファーへ横になっていただきます」
「済まない。疲れが溜まっていたようだ」
「えぇ、寝不足のご様子でした」
「やれやれ。教え子に悟られる様では、私も老いたって事かねぇ」
「すぐに救急車を呼びます」
「止めてくれないか」
「では、俺が病院まで送ります」
「机の上に薬がある。それを飲めば大丈夫だよ」
嘘だった。瓶こそ変えてあるが、単なるビタミン剤。
額の汗を右手で拭う。ベトリとした感触が気持ち悪かった。
視界が戻る。
好ましくさえ思っていた青年はーー右手の傷を睨み付けていた。
妻に血を与えるために何度も何度も何度も切り続けた私の傷。
「その傷は……」
「妻の看護をしていて付いたんだろう。大した事はない」
捲し立てる。真相がバレてはいけない。老人は理由もなく確信していた。
突然、電子音が鳴り響く。
青年の携帯だ。
「君の恋人かな? 早く行ってあげなさい。女性を待たせるものではないよ」
行ってくれ。頼む、行け。行くんだ。
呼び出しは続いている。
「分かりました。必ず病院には行って下さいね」
「あぁ、そうしよう」
「失礼します」
「またな、玖世君」
玖世天は出ていった。安堵の息が漏れるのは止められない。


不自然かつ大量の切り傷。
慌てて隠そうとする不自然な態度。
病床の家族。
そして、あの呼び出し音は銀誓館のナンバーだけに設定している。
答えは出ているも同然だった。
「卒業生の玖世さんですね。緊急事態です」
「女性型リビングデッドだろ。場所だけ言え。すぐに片付ける」
「は、はい。住所は……」


その日、玖世天は一体の女性型リビングデッドを排除した。
運命予報によれば、リビングデッドに血を与えていた男性は帰宅した直後に殺害されるはずだったと言う。

2009年11月1日日曜日

使ってる文具の話


周囲の人から薦められたので、少し前に手帳を購入しました。
文具大好き人間としては選ぶだけでも結構楽しかったです。

で、購入したのが「トラベラーズノート」です。
タイ製の革カバーがメイン。
茶と黒の二色あるんですが、私は茶色を選びました。
中に好きな種類のノートを挟んでいくという、システム手帳っぽい品です。
ただ、リングじゃなくてゴムで止めていくのがこれの特徴!

もうね、こういうの大好き。
ドラクエなら冒険の書はこういう感じなのかねぇ、とか考え始めたら楽しいです。
(ドラクエ5では冒険の書と名付けたプレイ日記を付けてました。誰に見せるわけでもないのに……)
写真の一番上が革のカバーで、二つ目が別に購入した週間スケジュール。
三つ目は最初から付属してた無地ノート。これはもう使い終わりそうです。

実はこのノート、かなりカスタマイズされている方がいらっしゃいます。
公式ページでも特集されてますし、一見お勧め!


ボールペンはLAMY2000。
デザインが好きですし、4色ボールペンなのに細身なので気に入ってます。

ただ、いかんせん……書き始めが擦れる。
ボールペンの芯をゼブラとかに変えられるらしいので、いずれ変えます。
一度書き始めれば快適で綺麗な色が出るんですけどね。
こればっかりは趣味の領域に入りそうです。