2010年2月3日水曜日

寒い時期の暖かい飲み物は本当においしい話(シルバーレイン)

「かぁ〜〜っ! このケーキは甘いですね、本当に甘いですよ」
「うるさい」
「連絡がつかないと思ったら、可愛い弟の誕生日に何をしてるかと思ったら……リア充、いやリア獣か! さすが、肉食系兄上。学名リアジュー・リア・リアジュウーですね」
「静かに食えよ」
「で、飲み物あります?」
「……珈琲しかないぞ」
「仕方ないですねぇ。ぼくが特別に腕を振るうとしましょうか」
「お前、ほんと他人の話を聞かないのな」
「良いお茶っ葉使ってますねぇ。てか、珈琲以外の方が多いじゃないですか」
「堂々と開けるな。あいつのだから、勝手に……」
「よーし、この高そうなお茶に決めた!」
「だから……」
「コンロ使いますよ〜?」
「あのなぁ」
「焦ったらダメです。お茶の葉を炒るには、手際とタイミングが大事なんですから」
「……意外と手馴れてるな」
「えぇ、そりゃあ。父上に散々仕込まれましたから」
「そうか」
「そうです」



「どうですか?」
「……しゃくだが、旨い」
「あはは。当然ですよ、とーぜん。もっと褒めても良いんですよ?」
「お代わり」
「はいはい。あー、そうだ。お正月に父上と会ったんですよ」
「そうか」
「兄上と話がしたいって」
「断る」
「ダメです」
「うるさい」
「ダメです」
「……」
「ついでに、父上から。『墓の掃除は欠かしていない』だそうですよ」
「絶対行かないからな」
「逃げるんですか?」
「逃げてない」
「父上に会って、殴るなり罵るなりすれば良いのに」
「俺には関係ない」
「あのですねぇ」
「今日は帰れ」

「「……」」

「まぁ、今日の所は引き上げますけど」
「そうしてくれ」
「兄上」
「なんだ」
「お茶、本当に美味しかったでしょ?」
「あぁ。旨いほうじ茶だった」
「そういう呼び方もありますけどね。普通の焙じ茶とは違うんですよ」
「何か特別なやり方があるのか?」
「ひと呼んで、ミ チ カ ネ ス ペ シ ャ ルですよ!!(ジャジャーン)」

「「……」」

「あーうん、美味しかった。じゃあな」
「え、ちょ……(・3・)アルェー」