「俺だって色々と考えなくもないさ」
「とてもそうは思えないですけど」
「例えば、前日の夜はよく眠れる」
「は? 普通逆じゃないですか??」
「違うな。俺だって怪我はしたくない。ただ、常に考える。『ここでやらなければどうする?』と」
「・・・・・・」
「これまでの事が全部無駄になる。そう考えると、うろたえてる暇がもったいなくなる」
「やらなかったら、どうなるんでしょう?」
「決まってるだろ。化け物どもが溢れて、安心して眠れなくなる。 常に緊張を保って、背後に気を配って・・・・・・そんな生活は嫌だからな」
「そうですね」
「逆算して考えろ。防ぐにはどうしたら良いのか。決まっている、戦うしかないだろ」
「理屈は分かりますが」
「なら、理屈に従うべきだ。他に頼る物もないのだし」
「なるほど。たまには兄上も役に立ちますね」
「たまに、は余計だ。愚弟」
「はいはい、分かりましたよ。お兄さま」
「気持ち悪いからやめろ。ほら、行くぞ」
「え、行くってどこへです」
「ゴーストタウンで訓練だ。少しでも時間が惜しい」
「あれ・・・・・・もしかしてヤブヘビ?」
——奇跡を期待しなさい。しかしそれだけに頼らないこと。