2009年9月25日金曜日

それぞれの「武曲七星儀」(シルバーレイン)

「兄上はいつも落ち着いてますよね。その心臓が羨ましいです」

「俺だって色々と考えなくもないさ」

「とてもそうは思えないですけど」

「例えば、前日の夜はよく眠れる」

「は? 普通逆じゃないですか??」

「違うな。俺だって怪我はしたくない。ただ、常に考える。『ここでやらなければどうする?』と」

「・・・・・・」

「これまでの事が全部無駄になる。そう考えると、うろたえてる暇がもったいなくなる」

「やらなかったら、どうなるんでしょう?」

「決まってるだろ。化け物どもが溢れて、安心して眠れなくなる。 常に緊張を保って、背後に気を配って・・・・・・そんな生活は嫌だからな」

「そうですね」

「逆算して考えろ。防ぐにはどうしたら良いのか。決まっている、戦うしかないだろ」

「理屈は分かりますが」

「なら、理屈に従うべきだ。他に頼る物もないのだし」

「なるほど。たまには兄上も役に立ちますね」

「たまに、は余計だ。愚弟」

「はいはい、分かりましたよ。お兄さま」

「気持ち悪いからやめろ。ほら、行くぞ」

「え、行くってどこへです」

「ゴーストタウンで訓練だ。少しでも時間が惜しい」

「あれ・・・・・・もしかしてヤブヘビ?」
——奇跡を期待しなさい。しかしそれだけに頼らないこと。