事件はエレベーターで起こった!
「玖世のお兄ちゃんだ! コンニチハー」
「あぁ、こんにちは」
「……ねぇねぇ、この人ダレ?」
「弟の道鉦だ」
「へぇ……弟さんがいたんだ。えーと、初めまして!!」
「は、はい。初めまして」
「ねぇ、この人……本当に男の人? ダメだよ、お姉ちゃんを泣かせたら」
「男だよ。そんな事を初対面の人に言ったら失礼だからな」
「分かった! じゃあ、友達と遊んできます!!」
「気をつけてな」
「うん。お兄ちゃん、ミチカネ。ばいばーい」
「( ゚д゚ )」
「なんだよ、その顔は」
「いや、兄上が普通に子供と接している事に異常な違和感があるだけです」
「お前の中で、俺はどんな人間になってるんだ」
「もっとこうストイックで、クールで触れる者みな傷付ける多感な十代……ないですね」
「ないな」
「でもでも、何か安心しました。兄上もちゃんと周囲の人と交流が出来ているんですねぇ」
「うるさいな」
「はいはい、ツンデレツンデレ」
「……」
「……」
「一つ気になったんだがな」
「奇遇ですね。ぼくも一つあるんですよ」
「「なんでお前(ぼく)だけ呼び捨て??」」
結論:完全に舐められた